墓じまい後の埋葬先にはいくつかの選択肢があります。
以下にその代表的なものを挙げます。
墓じまいを検討する際、最も重要なのは故人の遺骨をどのように供養するかということです。
墓じまい後の埋葬先は、家族の価値観や状況によって選択肢が異なります。
この記事では、墓じまい後の埋葬先の選択肢と、それぞれの特徴を1~9項まで解説していきます。
永代供養墓
永代供養墓は、寺院や霊園が管理し供養を行う共同の墓地サービスです。
個別に依頼をしなくても、永代的にご供養をしていただけるので、後継ぎがいないことを理由に墓じまいをなされた方々からのニーズが増えております。
子孫に供養の負担をかけない
年間管理料などの維持費が少額であったり、中には維持費が無料の施設もございますので、残された方のご負担をおさえられます。
また、お寺の境内に設置された永代供養墓や樹木葬などの中には、駅から歩けるなど利便性にも優れている供養施設も多く存在します。
無縁仏になる心配がない
永代供養墓の名の通り、永代に渡る供養が含まれており、たとえ後継ぎがいなくても、安心して購入することができます。
また、合祀されない永代供養墓なら、後継ぎ様が引越しなされてもご遺骨を一緒に搬送することができます。(合祀墓は、一度埋葬するとその後は取出すことが出来ません。)
樹木葬
樹木葬は、自然に囲まれた場所に故人の遺骨を選択する方法です。
自然環境に配慮し、お墓の管理や維持が不要なため、後継者がいない場合や環境保護を重視する方に選ばれることが多いです。
樹木葬のイメージは「木の下に埋葬され自然に還る」という意見が多いですが、実際の樹木葬は共同の小型個別墓地のような形で、自然に還るイメージとは異なるケースがほとんどです。
数少ない自然に還るイメージの本格派樹木葬
使用期間後は敷地内で合祀供養になるケースも。
現代では核家族化も進み、お墓を継ぐ方がいないケースも多いため、現代ニーズに沿って、使用期間が設けられ、その期間が過ぎると合祀墓に移されて合祀供養になる樹木葬が主流です。
比較的低価格
樹木葬は、従来の昔ながらのお墓に比べ、面積も小さめで使用される石材量も少ないことから、比較的お安い費用で購入できます。
従来の一般墓地の平均購入価格が総額150万円ほどですが、樹木葬の平均購入価格は総額50万円程度とかなりお安くなっております。
ただし、樹木葬は1名様辺りの価格が表示されていることが多いため、多くの方で使用する場合は、従来の一般墓地の方がお安くなる場合もございます。
年間管理費を一括払いができる施設も。
樹木葬は、使用期間が決められているタイプも多く存在し、その決められた管理費を一括支払いできる樹木葬もございます。
また、一括支払いの場合は割引サービスを設けている樹木葬もございます。
例:年間管理料1万円で50年分を毎年払いの場合、
1万円×50年=50万円のところを、
50年分一括払いの場合、50%割引が適用され、
1万円×50年ー50%分=25万円。
参考情報:墓じまいと樹木葬
合祀墓
合葬墓は、複数の遺骨を一つの墓に納める形式のお墓です。
価格帯がとても安いという特徴がございます。(1名5万円~20万円)
他の方のお骨と混ざるため、一度埋葬すると、二度と取出すことが出来ません。
お墓の維持管理費やスペースを抑さえられる
お墓の維持管理費用やスペースを抑さえることができるため、選択肢の一つとして考えられます。
納骨堂
個別に遺骨を管理できる
骨壷納骨堂は、遺骨を個別に管理できる納骨堂です。
お参りがしやすい場所にあることが多く、故人のつながりを感じやすいです。
お参りがしやすい
室内であるため雨の日でもゆっくりお参りができて、清潔感があり管理も行き届いていることが多いです。
自宅供養
日常的に供養できる
自宅供養は、遺骨を自宅に保管して日常的に供養する方法です。
家族とのつながりを感じやすい
家族とのつながりを感じやすく、故に人を身近に感じることができます。
自宅供養を選ぶ理由はさまざまで、お墓参りが難しい距離に住んでいる場合の墓じまい後に新たな供養施設に埋葬するまでの一時的な待機期間として自宅供養を行うことが多いです。
中には、家族が密につながり合いたいと考える場合などがあります。
但し、墓じまい後にご遺骨を自宅に保管する場合は改葬にはあたりません。あくまでも改葬先は墳墓や納骨堂などの施設となりますため、自宅に保管することが改葬の理由としてどのようにとらえられるか等、現在お墓があるエリアにある自治体の改葬許可申請窓口にお問い合わせ相談をなされることをお勧めいたします。
自然葬
環境に優しい埋葬方法
自然葬は、遺骨を自然に還す方法で、海洋散骨や山散骨などが含まれます。
樹木葬も自然葬ジャンルに入れて環境に優しい葬送として説明されることもございます。
故人の遺志に沿った場所で供養可能
自然と一体になることから、自然への帰趨を求める方に選ばれることが多いです。
環境に優しく、故人を大切な場所に納めることができます。
法律や地域のルールに注意が必要
自然葬を行う際には、法律やガイドライン、地域のルールに従って手続きを行う必要があります。
分骨
複数の場所に遺骨を納める
分骨は、遺骨を複数の場所に分けて納める方法です。
家族それぞれが故人を身近に感じられる
兄弟や姉妹など、家族それぞれが近くの供養施設に分骨を納めることによって、故人とのつながりを大切にすることができます。
また、遠方に住む家族もお墓参りがしやすくなるメリットもあるため、ひとつの選択肢として考えられております。
改葬とは判断されない場合の注意点!
墓じまい後、ご遺骨をどこかに埋葬・埋蔵・収蔵せずに、自宅に置く場合や一部を散骨する場合などは、改葬許可が必要ではない場合もございます。
しかし、将来手元にあるご遺骨をどこかに埋葬・埋蔵・収蔵をするときには、改葬許可証などの書類が必要になります。
そのため、墓じまい後にご遺骨を、自宅で一緒に過ごす場合、一部を散骨する場合どちらも、「改葬許可証」或いは、現在埋葬されている墓地管理者から「埋蔵(収蔵)証明」を受けてご自身で保管しておきましょう。
それらの書類が、将来埋葬を希望されるときに役に立つはずです。
注意点と手続きについて
- 墓じまい後の埋葬先を選ぶ際は、以下の注意点と手続きを確認しましょう。
- 故人の遺言や家族の意向を尊重する
- 各埋葬先の運営者との契約内容を確認する
- 埋葬にかかる費用や維持費を把握する
- 必要な手続きや書類を揃える
- 法定相続人や親族との連絡・協議を行う
参考リンク:墓じまい家族会議
最後に、既存骨壷が改葬先にそのまま埋葬できるかを確認しておきましょう。
改葬先の施設に既存の骨壷のまま埋葬できるとは限りません。
骨壷が大きくて埋葬できないなどのドラブルにならないように、墓じまい業者に依頼して骨壷の大きさを測っておきましょう。
まとめ
墓じまい後の埋葬先選びは、故人や家族の信仰や価値観に応じてさまざまな選択肢があります。
永代供養墓、樹木葬、合葬墓、納骨堂、自宅供養、自然葬、分骨など、それぞれの特徴を理解し、家族でよく話し合って故人にとって最良の方法を選びましょう。
故人を偲ぶ気持ちを大切にしながら、供養の方法を選ぶことが大切です。
また、選択する埋葬先によっては、事前に手続きや相談が必要な場合がありますので、注意してください。
あらかじめ注意点や手続きも確認しておくことで、スムーズな埋葬が可能となります。
最後に、
いかがでしたでしょうか?
意外と一番苦労して一番予算ウェイトも占める、墓じまい後の供養施設探し。
核家族化、少子高齢化、一人世帯の増加、長寿による将来不安、都心集中による地域過疎化、、、このような、墓じまいが急増する様々な背景もあり、樹木葬が増え、永代供養墓や合祀墓なども増え、よって急増した【割と低価格な供養施設】に対抗すべく、都心型自動搬送式納骨堂も供養形態を変化させた新プランで低価格化を図り、都心部でも樹木葬をはじめとした【割と低価格な供養施設】がさらに急増しました。
墓じまいはお墓を解体して終わりではなく、そのお墓に埋葬なされていたご遺骨の新たな埋葬先を決めなくてはいけません。
墓じまいをするお墓のほとんどに複数のご遺骨が眠られています。
その複数のご遺骨の埋葬先として再度お墓を建てると、この核家族時代にまた子供や孫の世代で墓じまいが必要になるのではないか?と不安になり”お墓”という選択肢は選ばれづらくなります。
さまざまなことを検討なされて、ご家族・親族皆様にとって最良の供養先を見つけていただきたいです。
墓じまい後の埋葬先を探すなら「ごくようば(ご供養場)全国版」