墓じまいという言葉も一般的に広がりましたが、墓じまいにはいくらくらいの費用が掛かるものなのでしょうか?
様々なケースにより費用は大きく異なりますので、事例を含めて、一般的によくあるケース(平均的な相場)を取り上げてみたいと思います。
墓じまいにかかる費用は既存墓石の解体撤去費用や魂抜き法要料(お布施)だけでなく、様々な費用項目がございます。下記の項目ごとの説明をご参考ください。
お墓の解体工事費用(撤去処分費含む)
お墓の解体工事は、一般的に墓石などのお墓に使われている石材と基礎に使われているコンクリートなどのすべてを解体撤去し、お墓を建てる前の更地状態か原状回復することです。
手順としては、まず墓石や墓誌、物置台などを解体し、その後に外柵に属した塔婆立てを含む囲いの部分を解体、そしてそれらの部材の土台となっていた基礎コンクリート部分を斫っていきます。
コンクリート部分は地面下の地中部に潜り込んでいることが多いので、それらの部分を斫り撤去を行うと、土がえぐれて穴が開いた状態になり、お墓の周りに有った土だけではその穴を埋め戻せないことも多々ございます。
そのような場合は施工業者が別途土を購入し埋め戻す作業も必要となります。
また、これらの作業は人力だけでは難しく、トラックやユニック・クレーン(場合によってはラフター)、荷台などが現場まで設置できるか否かにより工事費用も異なります。
機材やトラックが現場に横付けできれば良いのですが、それができないと人力が必要になり、人工も作業時間も倍増することになり、それだけ費用も上乗せされてしまうということになります。
また、解体により撤去した石材やコンクリートなどの部材は産業廃棄物として適切に処理をしなくてはいけません。
特にお墓に使われている強固な御影石などは、大変貴重な地球上の資源です。
部材は可能な限り再利用することを目的としての適切な処理が必要となります。
産業廃棄物中間処理施設への持ち込み移送も含め費用は掛かります。
もちろん、言うまでもありませんが、不法投棄は厳禁です!!!
ここまでが墓じまい工事にかかる費用の大部分となります。
目安として、お墓じまい費用の相場は、お墓の面積1㎡あたり10万円位と表現されていることが多いようですが、弊社では、特に難しい現場でなければ平均すると1㎡あたり8万円程度での墓じまい工事が多いです。
また、面積が広くても外柵の造りが簡単なもので、基礎の厚さも薄いお墓などは割安となり、1㎡辺り3万円台で行われることもございましたので、一概に面積に応じての計算というわけではございません。
墓地が山岳地などの過酷な状態になると現場に応じて、いくらか別途費用をいただいております。
現場は1件1件現地確認後に無料で見積もりを提示しますので、お気軽にご相談を。
因みに、墓じまい工事は手間暇かけての作業が必要となりますので大変な工事ではございますが、墓石に対しては今までの労いとして「お疲れ様です。今後の(再利用後の)ご活躍も願っております。」という気持ちで解体工事を取り組んでおりますので、気持ち的には割と前向きに作業を行っております。
参考記事:墓じまいを安くする方法
墓じまい 整地 更地戻し
お墓の魂抜き法要の費用「墓じまいのお布施」
既存墓石の魂抜き法要とは、お墓から石に戻すという意味のある法要です。
お墓は、本来”石”であるものを加工してお墓として使用することを目的に建墓なされますが、その”石”に僧侶が魂入れの法要(開眼法要や建碑法要とも言う)を行って初めて「お墓」として使用が開始されます。
墓じまい工事を行う前に「お墓」から”石”に戻す法要(閉眼供養・魂抜き・性根抜き・精根抜き(しょうねぬき)・御霊抜き・芯抜き・お務め終えなどという)を僧侶が行ってから、お墓の解体工事が開始となります。
この法要・行事のためにお布施を僧侶にお渡しするのですが、一般的にお布施の目安として3万円程度が多いようです。
「墓じまいのお布施」はいくら?などと聞かれることがございますが、正しくは魂抜き・閉眼法要のお布施ということになります。
※弊社では、魂抜き法要を行っていないお墓の解体は行えません。
管理者様へのお礼費用(寺院墓地の離檀料)
こちらは主に寺院の境内墓地にあるお墓の墓じまいが必要になる場合の離檀料の説明です。
民間の霊園や自治体管理の墓所などでは必要ございませんが、寺院墓地で離檀する場合はお寺から多額の離檀料を請求されるなどトラブルとして話を聞くことも稀にございます。
通常は離檀料というより、あくまでも今まで長年お世話になったお礼として、金額としては一般的な相場は、平均5~20万円程度をお支払いすることが多いようです。
0円(離断料を受け取られない)お寺様も多くおられます。
しかし、寺院様(ご住職)の考えにより、例えばお墓を建ててからの年数×数万円であったり、埋葬されている仏様の数や院号戒名の仏さまの数により離檀料を計算されるなど様々なケースがございます。
中には実際に離檀料が数百万円という話もございました。
こうなるとお墓じまい費用の様々な項目の中で、離檀料が一番大きなウエイトを占めてしまいます。
しっかりと供養できるようにと計画した墓じまいが、高額と感じる離檀料による思わぬ出費で
「こんなことになると思わなかった」
「このままお寺にお墓を残す方が良いのか?」
「このままお墓を放置したらどうなるの?」
「いや、ここには置いておけない!」
「どうしてこんなに払わないといけないの?おかしいよ!いくら何でも高すぎる!」
というご相談も何度もいただきましたが、感情的に話をこじらせてしまうことは、より状況を難しくしてしまうことが多いように感じます。
お寺のご住職も人間です。何か思うところがあるのかもしれません。
感情的にならずに対処することをお勧め致します。
いずれにしましても、なるべくトラブルを避けられるように、時間に余裕があるならば将来の相談として早い段階でご住職に相談なされたり、地元に残る親族にも早めに相談しておくなどの根回しも効果的です。
あくまでもご納得できるかが焦点になりますので、お互いに感情的になると良い結果に結びつかないケースが圧倒的に多いです。
あまりにも法外な離檀料を請求された場合は、双方だけでなく第三者に間に入っていただく方がまとまりやすくなるケースもございます。
合わせて読みたい:墓じまいの失敗事例
過去に発表された離断料に関する見解
この離断料と呼ばれる金銭ですが、各仏教宗派本山等の意向で反映される”決まり”ではないようです。
2023年10月25日に、在来仏教と呼ばれる仏教宗派の中でも代表的な曹洞宗の宗務庁から離檀料・墓じまいに関する発表がございました。
離檀料・墓じまいに関する報道について(曹洞宗宗務庁)
下記に抜粋も表記しますが、これらの情報は離断料や墓じまいに関する状況を把握いただくのに役立つことと思います。
離檀料について
(1)宗門公式としての離檀料に関する取り決めはありません。(2)特段の理由により離檀される場合において、檀信徒から、離檀料を頂くようになどという指導も行っておりません。
(3)離檀に当たり、これまで先祖代々がお世話になった感謝の気持ちとして、布施を納めてくださる場合がありますが、(1)、(2)に記載のとおり、宗門において統一的な取り決めや指導はありません。地域の風習や慣行、寺院と檀信徒との関係性において、当事者間の話し合いにより決まるものと考えております。
(4)菩提寺との関係について疑問や要望をお持ちの場合は、出来る限り早い段階で、菩提寺にご相談されることをお勧めします。
引用元:曹洞宗宗務庁Webサイト「曹洞宗 曹洞禅ネット SOTOZEN-NET 公式ページ(https://www.sotozen-net.or.jp/syumucyo/20231025_1.html)」より一部抜粋
今回曹洞宗宗務庁様が発表された内容は、離断料に関する様々な憶測や誤解を解消する意味でも、とても良いことだと思いました。
新しい埋葬先の購入費用
墓じまい後にご遺骨を埋葬する場所を探しておかなければなりません。
立地や移動する仏様の数にもよりますが、これが墓じまい全体費用の半分以上を占めるケースも多くございます。
例えば1名20万円の樹木葬に5名分のご遺骨を改葬する場合、20万円×5名=100万円がかかることになります。
これに対して、墓じまい工事(お墓の解体・撤去)は、既存のお墓の面積が3㎡で墓じまい工事単価が1㎡あたり8万円だとすると3㎡×8万円=24万円です。
このケースでは墓じまい工事は24万円で済みますが、お骨の改葬先施設の購入には約4倍の100万円がかかる計算となるのです。
この他にも新しい埋葬先に埋葬手数料などとして別途2万円×仏様の人数分が必要であったり、粉骨や洗骨代・専用の骨壺代、袋代などがかかってしまうケースもございますので、契約前段階で諸費用がいくらなのかもしっかりと質問しておいた方が良いでしょう。
改葬先の供養施設にはどんなタイプがあるの?
墓じまい後の改葬先として、近年人気があるのは樹木葬や永代供養墓・納骨堂などです。
以前は俗に言う”お墓”は和型の一般墓地のイメージが強くございましたが、近年、2019年あたりから一般墓地よりも樹木葬がシェアが大きくなりました。
樹木葬も様々なタイプの施設がございますが、2024年時点で一番人気がある墓地といって間違えないでしょう。
また、墓じまい後も家族・親族で同じ供養施設に入る予定の方は、親族皆で仲良く現地見学をなされ、各々の自宅からなるべく交通至便な駅近が多い自動搬送式納骨堂を選ばれたり、自分の代で後継ぎがいなくなるという状態の方は、ご自身が亡くなられた後も先祖共々供養をしていただける永代供養のシステムが備わっている樹木葬や永代供養墓を選ばれる傾向がございます。
下記表では墓じまい後の改葬先に考えられる葬送方法を表で説明致します。
樹木葬 | 永代供養墓・納骨堂(自動搬送含) | 合祀墓 | 一般墓地(寺院墓含) | 海洋散骨 | |
価格 | 埋葬数や立地等に応じて価格差大。 概ね1霊10~20万円程度 | 埋葬数や立地等に応じて価格差大。 概ね1霊10~20万円程度 | 相場は1霊10~15万円程度 | 立地・面積により価格差大。 平均総額は150万円程度 | お任せ散骨の相場は1霊2万5千円〜8万円程度 |
維持費 | 立地等により費用差大。まとめ払い対応も多い。 合祀タイプは管理料無しも。 | 立地等により費用差大。 管理費まとめ払いの対応も多い | 管理料のかからない施設が多い | 年間管理料・護持会費など面積に応じて等、相場も幅広く2千円~数万円 | なし |
埋蔵方法 | 原則、個別に骨壺埋葬。期間等によって合祀施設で永代供養などの個別ルール | 原則、個別に骨壺埋葬。期間等によって合祀施設で永代供養などの個別ルール | 合祀共同埋蔵 | 個別に骨壺埋葬。維持管理費が支払われなくなると管理者ごとのルールで供養 | 散骨(全骨を散骨することは推奨致しません) |
利用期間 | 期限付きで個別利用後、合祀埋蔵され管理者による永代供養のケースが多い | 期限等により合祀埋蔵。管理者による永代供養のケースが多い | 永代使用が多い | 管理料などの維持費を払う限り永代使用が多い | なし |
メリット | 自然に還るイメージを好む方に人気。 比較的低価格。 施設が各地に増え選びやすい | 施設数も多く選びやすい。都心部駅近は利便性が最良。 明瞭会計が多い。 屋内納骨堂など雨の日も安心 | 料金が安く、システムもわかりやすい。 維持費用も負担が少 | 落ち着いてお参りができる。 家族・親族が共有する数少ない施設。 先祖とのつながりを感じやすい | 比較的料金も安く、維持費0。 海好きの方や遺言通りに対応できる等 |
デメリット | 各施設の多様化により比較しづらい。 合祀タイプは埋蔵後、遺骨を元に戻せない | 盆・彼岸等、お参りが混みやすい。 都心部等は駐車スペースが確保しづらい | 合祀埋蔵後はご遺骨を元に戻せない。他の場所へ改葬できない。 | 購入費用が割高。 将来の墓じまいも出費。 寺院墓地は寄付や離檀料が懸念される | チャーター散骨などは意外と高額。 散骨後はご遺骨を元に戻せない |
参考リンク:改葬先施設の検索サイト「ごくようば(ご供養場)」外部サイトにリンク
墓じまい総額シミュレーションで比較してみましょう。
お墓じまいに関しては、皆様各々お悩みをお持ちでしょうが、ここでは例え話として良くあるシチュエーションのモデルで墓じまいの料金を比較してみようと思います。
例えば、墓じまいをするお墓は同じ4㎡であり、ご先祖の遺骨が5霊骨壺で入っているという同じ条件とします。
A. ”岩手県内の山林地帯に4㎡”のお墓があり、墓じまいをして自宅近くである世田谷区内の寺院墓地で”一般墓0.8㎡”を建てて改葬をする。
B. ”静岡県内の寺院の芝生墓地に4㎡”のお墓があり、墓じまいをして自宅近くである世田谷区内の寺院墓地で”樹木葬”に改葬をする。
C. ”都立霊園の芝生墓地に4㎡”のお墓があり、墓じまいをして自宅近くである世田谷区内の寺院墓地で”合祀墓”に改葬をする。
項目 | A.岩手山林→一般墓地 | B.静岡寺院→樹木葬 | C.都立霊園→合祀墓 |
解体・撤去費用 | 100万円 | 20万円 | 10万円 |
改葬先の購入費用 | 200万円 | 60万円 | 50万円 |
閉眼・魂抜き法要料 | 3万円 | 3万円 | 3万円 |
粉骨・洗骨・乾燥 | 3万円 | 3万円 | 0 |
離檀料 | ー | 10万円 | ー |
合計 | 303万円 | 96万円 | 63万円 |
お墓の解体撤去費用イメージは、
A.100万円 (墓所近くに工事車両が停められない。工事機械が使えない。頑丈な2段カロートを含む基礎コンクリート解体工事も含むなどの想定。)
B.20万円(芝生墓地のため囲いがない。カロートも解体して撤去、更地工事も含む想定。)
C.10万円(芝生墓地のため囲いがない。カロートは解体しない想定。)
墓じまい後、改葬先供養施設の購入費用イメージは、
A.200万円+粉骨費用2霊分3万円
B.60万円+粉骨費用2霊分3万円
C.50万円
・Cの場合は、総額で63万円とリーズナブルですが、
実は改葬先に都立霊園の施設変更制度を利用した場合は、改葬先が都立霊園内の施設となりますので、供養施設の購入費用は、書類発行と送付用切手代など合わせて合計1,000円程度になり、さらなる大幅なコストダウンを期待できます。
・A.B.の一般墓地、樹木葬にはそれぞれ骨壺4霊しか入らない想定のため、そのままの状態で埋葬するのは骨壺3霊だけで、他2霊は粉骨して一つにまとめた骨壺を1霊分として埋葬する想定です。
この他にも、新しい供養施設への埋葬を依頼する場合は、埋葬手数料が2~8万円程度かかります。
ご遺骨の移動を依頼なされる場合は、距離に応じて別途料金がかかります。
施設変更制度以外にも墓じまい補助金等ございます。
7つの選択だけ!墓じまい今すぐ自動で見積りシミュレーション
ご遺骨の移送費用
墓じまいをする既存のお墓と新しく埋葬する供養施設の距離が遠い場合に、別途ご遺骨の移送費用が掛かるケースがございます。
距離が近ければ料金込みのサービスで対応していただける場合もございますので、あらかじめ業者様に相談なされると良いでしょう。
必要書類の発送費用・代書費用等
必要書類とは主に改葬許可申請書となります。
この改葬許可申請書は各自治体で決められている書式であり、ご自身と既存のお墓がある墓地の管理者が必要事項を記入・捺印をして、新しい供養先の証明書とともに既存墓地がある自治体に提出し、その自治体から交付される改葬許可書を受け取る必要がございます。
この改葬許可書が改葬先の供養施設で埋葬する際に必要になる書類です。
この一連の書類のやり取りは、慣れていないとなかなかスムーズにいかないもので、書式も各自治体によって異なり書類の入手方法や提出方法も各自治体の決められた方法となります。
また、改葬許可申請書に記載する内容は、移動(改葬)するご遺骨の数の分だけ必要になり、自治体によっては一覧表記にしていただいていたり多少簡略化されているケースも見られますが、結局は各々の自治体の書式に従った記入・提出方法となります。
このあたりの複雑さを改葬業者が士業と共に一括で請け負っていただけるサービスや、改葬先の墓地を含めた供養施設を紹介してくれるサービスなどもございますので、必要に応じて利用なされるのも一つの方法です。
参考リンク:墓じまい代行サービス
参考リンク:墓じまいの成功事例
墓じまい費用が払えない!安くする方法は?
墓じまいの費用を計算してみると「こんなにかかるの!払えないよ!」と思われた方も多いことと思います。
しかし、
安心してください!
その感情はあなた様だけではございません。
私共へのお問い合わせの中でも「墓じまいがこんなに(費用が)かかると思わなかった」との感想をおっしゃるお客様は多いです。
おそらく、最初はお墓の解体だけを考えられており、改葬先の確保、改葬許可申請書の手間、お寺様などの管理者との交渉、ご遺骨の代入れ、法要、ご遺骨音の移送、粉骨等々、、、最初からそこまで細かくはイメージできないものですよね。
そこで立ち止まって考えてみるべき点は、
そもそも自分だけで費用を負担するものかな?
と
墓じまいを安くする工夫です。
墓じまい費用は誰が払う?
そもそも墓じまい費用は、お墓の使用権利者が1人で全額を負担しなくてはいけないのでしょうか?
将来を見据えて、お子様たちの負担減のために墓じまいをするのなら、ご自身の負担だけというケースも多いでしょう。
しかし、お墓の使用権利者が亡くなられるタイミングなどに、お墓じまいの検討が始まるケースも多く、このようなシチュエーションでは、お墓の承継者だけが全額を負担するケースは少なくなるでしょう。
家族構成や今あるお墓の立地・状態、改葬先の供養施設の内容などにもよりますが、様々なことを関係者同士で話し合うことが大切です。
このことが原因で親族同時が揉めないように配慮しながら進めましょう。
合わせて読みたい:墓じまいで揉めないための親族会議|誰が払うの?
墓じまいを安くする工夫|ミニマル供養を目指す
そこまでしなくても良いかなと思えるような、必要性の低いことをシンプルにするミニマル供養を目指すことです。
例えば、墓じまいをするために、新しく確保する改葬先の供養施設ですが、親戚の方も入れるようにと駅近で大きめの区画を購入するとそれだけ費用もかかります。
大きなものを購入しなくても、ご遺骨は粉骨すると3分の1以下の容量にはなりますので、より多くの方で使えますし、駅近でなくとも行きたいときに行ける施設で十分との考えもございます。
墓じまい業者と交渉
見積を取り寄せ、内訳に表記されている項目で、これは必要ないかなと思われる項目に対して問い合わせ省いても良いのかを交渉してみるのも良いでしょう。
できるところは自分でチャレンジ
できるところは自分でやってみるのも良いでしょう。
例えば、代表的なのが改葬許可申請の手続きなどを、行政書士さんなど士業にお願いすると6万円~10万円程度の費用がかかることが多いのですが、ご自身で行ってみるのも良いでしょうし、実際にやってみたものの難しければ、改葬許可申請書サポートを低価格で付けている墓じまい代行業者へ依頼すると全体的な料金も抑えられるでしょう。
相見積もりを取り寄せる
単純に一社だけではなく、複数社から見積を取り寄せることも効果的です。
この時注意したいのは、全社同じ条件のお見積をお願いすることです。
例えば、的確に墓地の位置を各業者にお知らせし、墓の状態や条件、工程(解体・撤去・戻しまですべて等)、工期、等々同じ条件で見積を依頼することは、後の時間短縮にもつながります。
時期を考える
お盆・彼岸前など工事が込みあう時期を避けて、工期を長く余裕をもってお願いすることも価格交渉の役に立つことでしょう。
合わせて読みたい:墓じまいを安くする方法
墓じまい補助金・助成金などを調べる
お墓のある地域の自治体で墓じまい補助金・助成金を募集しているか?
それらにご自身の墓じまいが該当するかを調べてみましょう。
また、補助金や助成金の名称が付かなくとも、東京都立霊園の施設変更制度のように、何かしら費用免除されるような制度もございます。
墓じまい候補のお墓がある地域の自治体に問い合わせてみるのが近道です。
合わせて読みたい:墓じまい補助金・助成金を利用する
お墓をそのまま放置したらどうなってしまうの?
何らかの理由で墓じまいができなかった場合、そのお墓はどうなってしまうのか?と、疑問に思われる方も多いかもしれませんね。
近頃、相続人がいないなどの事情もあり、管理費の未納が続き放置される「無縁仏(むえんぼとけ)・無縁墓(むえんぼ・むえんばか)」の数が増加傾向にあります。
連絡がつかずお墓が維持されない状況で放置されると、墓地管理者への管理料の支払いも途絶え、植木や雑草なども管理されず荒れ放題となり虫や獣が住み着いたりと、衛生面でも支障をきたします。
そのような状態にならないように、墓地の管理者側は「墓地、埋葬等に関する法律」に基づき、墓地管理者の裁量でお墓を撤去することが可能となります。
「墓地、埋葬等に関する法律」に基づきとは、官報に記載のうえ、管理料が数年間支払われない等に該当する墓所に立て札を立て一年間公示し、その間に使用者などから申し出がなければ、墓地管理者の判断でお墓を撤去することが可能となります。
墓地が公営墓地であった場合などは、皆様からの税金で墓じまい(原状回復工事)が行われることとなります。
その際に、お墓から取出されたご遺骨は通常、合祀墓(ごうしぼ)に埋葬されます。
「合祀墓」は、複数の人々の遺骨を一箇所に集めて供養する手法を指します。
骨壺で個別に埋葬されるスタイルとは異なりますので、一度このように合祀されると、個人のご遺骨を特定して取り出すことはできなくなります。
だからこそ、お墓の承継が重荷となってしまう場合は、お墓の管理を放棄せず、必要に応じて早めに墓じまいを考えるべきであると言えるでしょう。
以上のことから、税金使用の側面や衛生面、供養の気持ちなどどの視点から見ても、墓じまいが必要になると思われた時点で早めに検討をはじめられることをお勧め致します。
合わせて読みたい:無縁墓・無縁仏の墓じまい