墓じまいが増えている近年ですが、
「今まで大切に使われていた先祖供養のお墓が墓じまいされると産業廃棄物にされると聞きましたが本当ですか?」
とお客様から質問されました。
答えは、、、
「はい、本当です。」
平成23年4月より経済産業省が改正した廃棄物処理法における罰則強化により、解体した墓石や外柵、墓誌、物置台をはじめとした石材は産業廃棄物(がれき類)と解釈され、お墓の下に打つ基礎コンクリートも産廃物(がれき類・コンクリートガラ)として産業廃棄物中間処理施設へ持ち込みます。
持ち込まれた材料は産業廃棄物として、中間処理施設で仕分け処理され、処理後は大部分が再資源化砕石として再利用されます。
使用済みの墓石を再利用!?
ここでも「お墓に使っていた石を砕石で再利用!?」と驚かれる方もいますが、墓石に使われる石材は非常に質も良く、地球上の貴重な天然資源です!
実は墓石の再利用は以前から行われてきたことです。
最近になって墓じまいが増えたから、不要墓石の再利用を始めたわけではないのですね。
一度お墓として使われた石材ですので、現状態で供養の対象としては販売されない石材です。
廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)の第三条にある「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。」の記述があり、事業者は法律を厳守する必要があります。
責務を怠ると処罰される可能性もございます。
そう考えると、お墓を”御影石(地球上の天然資源で形が残りやすく加工もできるもの)”で造ることは理にかなったことであると思えますね。
例えば、お墓をコンクリートなど練り物を固めて造ったとしたら、簡単に自由な形状にできる反面、そもそも天然素材ではないですし、耐久年数も全く異なります。
参考リンク:墓じまいのよくあるご質問(faq)入門編
産業廃棄物の法律・罰則
繰り返しとなりますが、墓じまいされた墓石は一度お墓として使われた石材ですので、現状態で供養の対象としては販売されない石材です。
このような状態の石材は産業廃棄物(がれき類)とみなされます。
廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)の第三条にある「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。」の記述があり、事業者は法律を厳守する必要があります。
よって、墓じまい(お墓の解体・撤去)工事を行った事業者は、墓じまい工事によって生じた廃棄物(石材やコンクリートなど)を自らの責任において”適正に処理“しなければならないことになります。
”適正に処理”とは、お墓に使用していた石材を”がれき類”として、基礎などのコンクリートを”がれき類やコンクリートガラ”として産業廃棄物処理施設に持ち込み処理することです。
因みに、お墓の花立に据え付けられている金属製の花筒は”金属くず”や”廃プラスチック”。
骨壺は”陶磁器くず””ガラスくず””コンクリートくず”などとして適正に処理が必要となります。
その他に生じた廃棄物も適正な分類で処理が必要です。
不法投棄は以ての外です。
責務を怠ると処罰される可能性もございます。
墓じまい(解体・撤去)を依頼する際もしっかりとした業者選びが必要ですね。
墓じまい後のお墓|再利用までの道のり手順
墓じまい後のお墓はその後どうなってしまうのでしょうか?
先に述べました、墓石の再利用化までの手順をご説明いたします。
墓じまい後、石材と基礎(がれき類・コンクリートがら)などの部材ごとに分けられて運搬車に乗せられます。
※ この時、お墓解体工事の請負者が解体・運搬を行う場合は問題ございませんが、運搬のみを他業者へ依頼する場合は、産業廃棄物運搬業の許可を受けている運搬業者にしか依頼できません。
運搬車に乗せられた基礎や墓石等石材を中間処理施設へ持ち込み(時には積み替え)、再生利用可能な部材と処分材に分けられます。
その後、廃棄物処理場にて砕石処理等を行います。
再生可能な部材は主に砂利や資材(路盤材)として利用されます。
判断は、見た目や解体しやすさではなく再利用できるか否か
では、再利用が可能な部材と処分材の違いは何でしょうか?
お墓じまいでは、お墓の立地や墓石の大きさ・硬さ、基礎コンクリートの形状など様々な要因によって、難しさや代金も異なりますが、再利用可能な部材か否かは墓じまいの難しさに比例するわけではございません。
最終的に産業廃棄物として処理するまでの価格も、お墓じまいの難しさには比例せず、例えば、風化して崩れているような、柔らかくスカスカの石材に見えても、再利用が出来ないため、処理金額が高いケースも多くございます。
逆に、見た目が立派な石で出来たお墓は、硬質で解体が大変そうに感じられると思いますが、材質的にも優れているため、再利用材として重宝されている場合もあり、処理代金はさほど高くならないケースもございます。
参考:墓じまいよくある質問